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【社説】 距離を置いてタブレットの正しい使用を


 二○二○年度より本格的に開始された国のGIGAスクール構想を踏まえ、昨年度、麻布学園においても中一生徒(当時)はiPadの購入が必須となった。購入したタブレット端末は、一律購入に先んじて校内に整備されていたWi-Fi環境を自由に使う事ができ、授業の円滑な実施、生徒がノートを取る際のツールとしての活用を期待され導入された。

 タブレット二世代目となる中一生徒数人へインタビューしたところ、ほぼ全員が使い道としてノートを取ることと調べ物をすることをあげていたが、タブレットでYouTubeを見ているという話や、周りの生徒がゲームばかりをしているといった話をしていた生徒も多くいた。例年多数の中学一年生が遊んでいた中庭で、今年は遊んでいる人が極度に少ないこともその影響だろう。

 タブレットを購入した生徒は勉強面などでの適切な使用を継続しながら、一度タブレットによる娯楽と距離を置き、現実でのみできることに積極的に関わっていくべきではないだろうか。

 なぜなら、麻布という学校に通いに来る意味が損なわれるからである。もちろん、wifiが使い放題のタブレットを使うことも麻布の「自由」である。しかし、動画の視聴やゲームといった、麻布に登校すること無くできるような行為をする意味は、果たしてあるのだろうか。自由には責任が伴うというが、麻布での時間を無駄にして後悔をするのは、時間を無駄にした未来の自分自身である。特に、中一という六年間関わり続ける友人を作る時期にそのようなことに没頭してしまい、有意義なことをせずに時間のみが過ぎていくのは、とても惜しいことだ。

 学習面で非常に有益なタブレットは、正しく使えばよいが、ある意味危険である。大多数が正しい使い方を知っているのだから、皆がタブレットでの娯楽を自制できるはずだ。つまり、「タブレットに支配されるのではなくタブレットを支配する」ことを意識するべきではないか。そして今こそ、タブレットでの娯楽と使用方法を一人ひとりが考えていくべきである。


(G.T.)

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