2024年度中学入試 評価は
- 新聞 麻布報道
- 2月2日
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昨日2月1日、麻布中学の入学試験が実施された。出願者数は761人と前年度比で-65人となり、ここ10年で最少の受験者数となった。倍率は2.5倍と各中学受験塾などが公開しているが、ある教員は例年の合格者数が380人ほどに調整されることもあり、実質倍率は2倍ほどになると見積もる。
例年通り国算社理の四科目受験であり、制限時間も変化しなかった。各教科について見ていく。
国語
直木賞受賞作の短編集「藍を継ぐ海」(伊与原新、新潮社)から「藍を継ぐ海」が問題文として出題された。
ウミガメの産卵地を舞台に、主人公の中学生が迷いながら前へ進もうとする本作について、主人公の行動の動機や葛藤の原因を問う記述問題が多く見られ、出題傾向を踏襲した対策が可能だったと推測される。
算数
算数は大問5問構成で出題され、大問1から順に図形の移動、求積、旅人算に関する問題、水溶液の濃度に関する問題、規則を用いて図形を考察する問題が出題された。
例年通り記述回答がメインの出題形式となっていたが、今年度は例年の大問6問構成を崩す形で1問ずつが占める負担も大きくなり、受験生は異例の対応を迫られる結果となった。
理科
理科は大問4問構成。2024年に話題となった素数ゼミや生態系、水の循環、そして光に関する問題が出題。
時事について取り扱ったのち、基本的な知識と問題文を読解する能力が求められる出題が続き、最後の大問には例年中1物理で行う光の実験の授業にも結びつくような問題が出題。土台となる基礎知識、そしてその知識の扱い方が問われた。
社会
社会は文字と印刷技術、そして情報と人のつながりをもとにリード文が作られ、これに関する問題が出題された。
理科と同様に基本的な知識や読解能力が求められるだけでなく、実際に自らが違う立場と視点を同じくして答える必要がある問題も多く出題された。さらにグラフと地図をもとに記述を行う問題も出題され、総合的な能力が求められたと言える。
全体的に総合的な知識、そして応用力が求められる出題傾向は踏襲したまま、時事や新たなものを取り込んでいく姿勢が見られる。
出願者数の減少を問題視する教員や生徒も多い中、今年新たに加わる麻布の仲間に期待が集まる。
(S.K.)
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