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【誰にもなれない僕だから-1】トゲナシトゲアリ・理名氏


何者かになることを求められる社会において、あらゆる抑圧にさらされる中、我々はどんな道を歩いていくのだろうか。その道を探る連載インタビュー企画【誰にもなれない僕だから】。初回はガールズバンド・トゲナシトゲアリのボーカル、そしてアニメ『ガールズバンドクライ』で主人公の井芹仁菜役を務める理名氏にインタビューを行った。

高校生だからこそ見える景色や、同年代の麻布生に伝えたいこととは。

(※校内向けと一部構成・内容が異なります。)



 

目次


・本編

<自己紹介>

<活動>

<アマチュアとプロの違い>

<活動を始めるにあたって>

<焦りと決断>

<プロとして>

<"もしも">

<年齢ゆえに>

<挑戦者たちへ>


・音楽・声優活動について

<トゲナシトゲアリの『難しさ』>

<活動の広がり>

<密かな願い>

<家族への想い>

<ライブと評価>

<新曲『ダレモ』>


・あとがき


・次回予告


・各種参考

 

本編

<自己紹介>

・まずは自己紹介をお願いします。


−トゲナシトゲアリでボーカルを担当している理名です。四月から高校三年生です。音楽を始めたきっかけは五歳くらいの時に母と姉の影響でピアノを始めて音楽が好きになって、小学生の頃にボーカロイドに出会って歌に興味を持って、今に至ります。今日はよろしくお願いします!



トゲナシトゲアリ・理名氏
トゲナシトゲアリ・理名氏


・よろしくお願いします。ボカロというお話が出ましたが、好きな曲があれば教えてください。


−好きな曲は本当にいろいろあって、最近はバンドをやっていることもあってバンドの曲をよく聴いていますが、ボカロだと2010年代の最盛期の曲をよく聞きます。DECO*27さんとかも好きです。


・ありがとうございます。それではメインの方に移らせていただきます。


<活動>

・どのような経緯で現在の活動を始めるに至ったのでしょうか。


−小学生の頃から、ボカロの影響もあってSNSに「歌ってみた」を投稿されている歌い手さん達に憧れを抱いていました。親からは「まだ中学生だしSNSで動画投稿はやめたほうがいいんじゃない?」と言われていましたが、どうしてもやりたくて我慢できず(笑)。中学三年生ぐらいの時に、親に内緒で「歌ってみた」を投稿し始めたんです。それを見た今の事務所の方から「オーディションに参加しませんか?」というお誘いをいただいて、その時初めて親に「こういう連絡が来たんだけど...」って相談して。力試しも兼ねてという感じで受けたんですが、まさかの合格で、現在の活動を始めることになりました。


・親御さんの話が出ましたが、お話しした時はどんな反応を?


−歌い手の活動をしていると、「ライバーになりませんか?」とか、そうゆうお誘いがいろいろな事務所から来て、その中には調べてみたら実在しない事務所だったという事も多かったので...ちょっと不安ではあったんです。なので、結構心配はしていましたが、両親と一緒にオーディションや事務所の事をよく調べた上で「大丈夫そうだからやってみようか!」となり、受けてみることにしました。


・今、学生とアーティストの両軸両輪で活動されてらっしゃいますが、比重についてはどちらを重くしてらっしゃるのでしょう。


−やっぱり音楽はお仕事でもあるので、そちらに比重を置いてます。本当に九割五分音楽です。元々、勉強は得意ではなくて(笑)。


・今通っている学校で部活動には所属していますか?


−入っていないです。音楽が好きなので軽音楽部に入ろうかなとも思っていたんですが、やっぱり仕事もありますし、アーティスト活動に専念しています。 



<アマチュアとプロの違い>

・先ほど軽音楽部という話題が出ました。麻布生もバンド活動をしているのですが、やはり社会に出てもアマの域を出ない人が多いです。OBのラッパーは居ますが...。実際アマからプロへとなられた理名さんからみて、アマとプロはどう違うのでしょうか。


−そうですね...音楽とかバンドに費やす時間が圧倒的に多いというか...。もちろん学校の部活動でやられている方は試験勉強とかテスト期間とか、色々あると思いますし、時間が取れない中で練習も頑張ってらっしゃると思うんですが、プロになると趣味でやっている時とはやっぱり変わってきて。趣味の範囲であれば「この曲は難しいから後でやろう」とできても、プロの立場になると、いろいろな人が関わっていて期日もあって、後回しにはできないので、そこは結構な違いかなと思います。そうやって逃げずに挑戦し続けるおかげで成長のスピードも違うのかなと。でも、楽しさみたいなものは同じだと思います(笑)。


・プロ活動の中でご自身の支えになっている歌だったり、今注目しているアーティストの方がいらっしゃればお伺いできますか。


−初めて好きになったバンドが緑黄色社会で、明るい曲が多いので、落ち込んだ時にもよく聴いていました。ボーカルの長屋晴子さんの声がすごく好きで、歌の表現や力強い高音だったり参考にさせていただいている部分もあって、ずっと尊敬して憧れているボーカリストの1人です。


TVアニメ『ガールズバンドクライ』
TVアニメ『ガールズバンドクライ』


<焦りと決断>

・活動を始めるにあたって、生活の変化等あったと思います。


−両親や祖父母とも、家族ぐるみで時間をかけて相談したんですが、「今このチャンスを逃すわけにはいかない」と、両親も背中を押して送り出してくれました。十五歳でアルバイトもしたことがない中、今まで住んでいた広島から全く知らない東京に出て、全く知らない人たちとバンドをすることへの不安は、もちろんありました。


・理名さんは中学生という年齢で、それまでと全く違う環境に飛び込む決断をされました。自分が重い決断をした、という自覚があったのか、どう覚悟を決めたのか、という点についてお聞かせください。


−当時の年齢的にも、目の前のことしか見えていなかったんです。両親と相談しながらという形ではありましたが、「もう本当にこれしかない」と思っていました。当時あまり中学校に行けていなくて、中高一貫の学校だったので高校にも行けないから、「この先どう大人になっていくんだろう」と、本当にお先真っ暗な状態でした。だからこそ、オーディションのお話は希望の光でした。なので、「もうこれしかない」という思いで臨んだんです。


・そんな中で、活動を始める前のご自身と今を比べて、変わったな、と思われるところはありますか?


−活動を始める時には思ってもいなかったくらい多くの方が、「トゲトゲの音楽が好き」とか「ライブにいきたい」と言ってくださっていて、当時の私からすると信じられない気持ちです。元々、人見知りで表立って喋るタイプではなかったのですが、お仕事でいろいろな方と出会って、いつも一緒にいるメンバーからもいろいろな影響を受けて、だいぶ変わりました。物事の捉え方も、一歩引いて客観的に見れる視点を...持てるように...なったかなぁ...?希望も込めて(笑)。歌の技術も含めて、この二年間で成長したと思います。



<プロとして>

・先ほどアマチュアとプロの違いという話をお聞きしましたが、プロ特有の緊張感には慣れるものでしょうか?


−そうですね、ありがたいことに沢山お仕事をいただいて、経験を積み重ねてきたことでだいぶ慣れてきたかなと思いますが、ライブ前とかはやっぱり緊張します。でも慣れすぎも良く無いかなと思うので...(笑)。程よい緊張感は持っていたいです。


・活動の環境面で意外だったことや、思っていたよりも苦労したことはありますか?


−想像していた以上にアニメが多くの方に広まって、それに伴ってお仕事も沢山いただいて忙しい日々ではあるのですが、思っていた以上の手厚いサポートをスタッフの方々にして頂いて、ありがたく思いながら毎日頑張っています。


・プロとして国際的な活動も増えてきているかと思います。僕自身、昨年中国を訪れた際にトゲナシトゲアリさんのファンだという方にお会いする事がありました。海外での活動について何か心配事はありましたか。


−そうですね...言語と文化の違いには少し心配もありますが、海外の方にもバンドやアニメを好きになっていただけるのはすごく嬉しいですし、全世界をライブで回れたらいいなと思うので、不安よりも楽しみの方が大きいです。


<"もしも">

・もしオーディションに合格していなかったとして、その時に音楽以外にもやりたいことがあったとしても、「音楽しかない」という選択をしたと思いますか。


−私、結構ゲームが好きで、スプラトゥーンをずっとやっているんですが、もしどちらか一つを選ばなければならないとなったら、やっぱり音楽を選ぶと思います。音楽は楽しめる幅がとても広いと思うんです。作る側にだってなれますし、聴いて楽しむ事もできる。歌、ギター、ベース、ドラム、キーボード...いろいろな事ができちゃうから、音楽って。だからすごく楽しいんでよすね。


・ご自身が今やられていることと、やりたいことの方向が少し違うな、と思ったことはありますか?


−需要と供給がうまくマッチしたというか。トゲトゲは激しめの曲が多いのですが、私もそういった曲が好きでやりたい音楽だったので、ズレている事はないですね。すごくありがたい環境で活動させていただいています。もしそこがズレていたらここまで続いていないだろうなと思うので、本当に良かったです。


・もし「需要と供給」にズレがあって悩んでいる人がいるとしたら、どういった声をかけられますか?


−その人の環境もあると思いますが、たとえば親から、自分の夢ややりたいことを反対されて諦めそうになっている方に声をかけるとすれば、「諦めるな!!」と言いたいです。


・もうシンプルに。


−はい。私自身、親に歌い手活動を反対されていたので、もし私がそのまま受け入れて諦めてしまっていたら、オーディションにも参加していなかっただろうし、今の活動にも至っていませんでした。本当にやりたいことだったら諦めずに、こっそり始めるでも良いから、自分にとって納得できる方を選んで欲しいなと思います。


・力強い言葉をありがとうございます。ifの話ばかりで申し訳ないのですが...。もし今の道を歩んでいなかったら、どんな未来になっていたと思いますか。


−多分、通信制の高校に行って、高卒の資格だけ取って...。どんな仕事をしてるんだろう。でも、趣味として音楽は続けていたと思いますし、プロではなくても歌い手の活動をしながら生活していたかもしれません。どの道を選んでも、私の人生に音楽は必要不可欠だったと思います。


・ありがとうございます。話を変えさせてもらいまして、今東京で活動しながら一人暮らしをされているかと思うのですが、うちの生徒も一人暮らし希望者が多くて。何かかける言葉があればお願いします。


−今は未成年ということもあり、広島から母と二人で上京してきたので、二人暮らしなんです。一人暮らしだとしたら、仕事から帰って、ご飯作って、洗濯して、って考えると...いや、無理なんじゃないか!?と思います(笑)。体調崩してしまった時とか、一人だと不安ですよね...。今は母が家事をサポートしてくれているんですけど、一人暮らしはハードルが高いなあ...。私自身、結構後回しにしちゃう性格で、ついゲームをやったりしちゃうので(笑)。ちゃんと自分の管理ができる人なら大丈夫だと思います!頑張ってください...!


・ありがとうございます。ライブや評価の話についてもお伺いしたいのですが、SNS上での批評を見た時にどういった想いを持たれますか?


−やっぱりマイナスな言葉を見るとそれなりに落ち込みます。少なくてもその日中はヘコんでしまうんですが、ちょっと時間が経って冷静になった時、その人たちはただの文字でしかないので。その人の言葉一つ二つくらいで動かされてたまるものか、と思います(笑)。たとえば、もしその人が歌をやっていたとして、理名の歌が下手だと言われても、落ち込んでいる暇があったらもっと練習してその人より歌が上手くなる努力をした方が、自分の為になるので。落ち込みはしますけど、いい意味で興味がないです。一意見として、事実として受け止めはするけど、そこに感情はいらないっていう姿勢です。



<年齢ゆえに>

・いわゆる普通のキラキラしてる青春、みたいなものに憧れはありましたか?例えば大学からサラリーマンというような、普通から逸脱することの原動力があれば教えてください。


−キラキラした青春にも憧れはありましたが、「そうなりたい」とは思わなかったです。できればもう、なるべく人を避けて生きたかったので(笑)、まさか自分が今のような仕事をする事になるとは思っていなかったですし...。うーん、難しいですよね。やっぱり普通っていう言葉がある以上、ある程度決められた道はあるわけで。


・たとえば僕の学校の文化祭とかを見ますと、"逸脱"が好きそうな人が多いと感じているのですが、普通から逸れることへの不安はもちろんあって、人の目を気にしてしまったり...。その側面で、逸脱への原動力って何だと思われますか?


−本当に自分がやりたいことだったら後悔しないと思います。「やらない後悔よりやる後悔」の言葉通り、やってみないとわかりません。本当に、自分の好きなことはいつ始めても遅くないと思います。覚悟が決まってからでも良いので自分ができる小さなことから始めて、常に自分の「好き」を大事にして欲しいと思います。


・高校生でプロとして活躍されている方は少ないと思います。音楽業界や、アニメ業界で、年齢だからこそ苦労したことがあればお伺いできますか。


−アルバイトもしたことがなくて、社会に出たことがない状態でプロのアーティストとしてお仕事が始まったので...。プロとはいえまだ知らないことの方が多いですし、まだまだ勉強しなきゃいけない事だらけだなと思っています。活動しながら学んで、成長していきたいです。


・理名さんは今僕たちと同じように未成年でいらっしゃいます。これから年齢が上がっていくにつれ、ご自身、そしてバンドとして何か挑戦したいことはありますか。


−私個人の目標としては、楽曲がリリースされるたびに「十五歳なのにすごい」「十六歳なのにすごい」というような褒め言葉をいただくことが多くて。もちろんそれも嬉しい事なのですが、「若いからすごい」よりも、今後は「十七歳の理名」ではなく「一人のアーティストの理名」として実力を認めてもらえるように、頑張っていきたいと思います。



<挑戦者たちへ>

・音楽についていろいろな事に挑戦している理名さんから、うちの学校の生徒、たとえば「自分は何もできないまま終わってしまうんじゃないか」とか、「今何をするべきなんだろうか」と悩んで焦燥感を抱えている人に対して、何かかける言葉をいただけますか?


−自分が少しでも興味を持ったことを、まずはやってみて欲しいなと思います。やってみたら「結構好きかも!」となって、その道に行く可能性もありますし。あとは、何事も恐れないことです。もちろん、失敗や人からどう思われるだろうかという不安もあると思いますが、そういうことを気にしていたら何も始まらないんだという想いを頭の片隅に持っていただけたら、少しだけ挑戦が怖くなくなるんじゃないかと思います。私は応援してます、あなたのことを!

 

音楽・声優活動について


<トゲナシトゲアリの『難しさ』>

・プロとしての活動を始めて、難易度的に一番印象に残っている曲はなんでしょう。


−どの曲も難しいんです(笑)。でも特に印象的だったのは、Blu-ray、DVD(TVアニメ『ガールズバンドクライ』Vol.2)に入っている『無知のち私』という曲です。アップテンポで言葉数も多くて、とても難しかったです。。レコーディングの時に涙をポロリしてしまった思い出があります(笑)。


・そうだったんですね...。先ほど、プロ活動の中でご自身の支えになっている歌、注目しているアーティストの方をお聞きして、緑黄色社会の長屋晴子さんのお名前が上がりました。

他に、理名さんのルーツでもあるボーカロイドの楽曲でご自身の活動の支えになっている曲はありますか?


−支えられたというか、沁みるなって思ったのは傘村トータさんの『大切な人たちへ』という楽曲 です。歌い出しの歌詞が、


「音楽と出会ってよかったと思う」(『大切な人たちへ』作詞作曲:傘村トータ、2018 年)


から始まっていて、音楽が大好きで活動している人に刺さる楽曲だと思います。傘村トータさんの楽曲はもともとバラード系でしたり、感情豊かな曲が多くて、繊細な想いとかストーリーが伝わってくるんです。他にも好きなボカロ曲はたくさんあるんですが、ボーカロイドが使用される楽曲は曲ごとのキャラやストーリーがはっきりしている曲が多くて、様々なタイプの曲を常に流して四六時中聴いていたので、その経験がいろいろな音楽をより好きになれたきっかけでもあると思います。


・トゲナシトゲアリの皆さんはバンドとアニメの両輪で稼働されていると思います。演技についてもお伺いしたいのですが、声優活動を始めるにあたって何か準備はされたのでしょうか。


−オーディションでは音楽面の審査だけだったので、演技についてはアフレコ現場に行って初めてセリフ読みをするという状況でした。予備知識も経験もまったくなかったので、声優さんが投稿されているYouTube動画を見たりして練習しました。


・初挑戦のアフレコで、何か苦労した思い出はありますか。


−第一話の収録時はメンバーともまだ会ったばかりで、会話もまだ敬語混じりだった頃なので、やっぱり演技にも初々しさみたいなものが出ていると思います(笑)。でも、演技指導で入ってくださったプロの声優の方に、「そこはもう少し感情を強く出したほうが良いよ」とか、本当につきっきりで指導していただいて、そのおかげで乗り越えられました。SNSなどで演技について良い評価をいただけているのを見ると、私の力だけでは無くて支えてくださった方々のおかげなので、それも含めてとても嬉しいです。


・先ほど『無知のち私』の話題でレコーディング中に涙したとお聞きしましたが、そういった経験はアフレコでもあったのでしょうか。


−なかったと思います。やっぱり音楽は私の中心にあるもので、好きだからこそ上手くできないことに対する悔しさがありました。アフレコについては何も知らない状態だった事もあってか結構楽観的で、意外と気持ちを楽にしてできたかなと思います。


・先ほどのお話とも重なりますが、ご自身の中学時代の経験が演技にもつながったのでしょうか。


−そうですね。私が演じている井芹仁菜は、私と違うなと思う部分もありつつ、共通点が結構多いんです。不登校だったり、親とのすれ違いだったり…。仁菜は自分を貫くために親の反対を振り切って単身上京してきて、私は音楽とか「歌ってみた」をやりたくて反対されても始めていた所とか。アニメ10話で仁菜が熊本に帰って、親と仲直りして最後は笑顔で送り出してもらうシーンがあるんですけど、そういった事もそうですし、本当は内気なところとか。そこは演技のリアルさにつながったのかなと思います。


・アニメのキャラのお話が出ましたのでもう少しお伺いしたいのですが、ご自身が演じる井芹仁菜や、他のキャラクターへの思い入れはありますか。


−仁菜はもう本当、妹みたいな感じで。今は同い年ですけど(笑)、これから私が大人になっていくにつれてどんどん妹みたいに感じるんだろうなと思いますし、私にとって仁菜はずっと可愛い存在です。他のキャラクターだと、仁菜と一番関わりが深い河原木桃香の見た目や性格がすごく好きです。桃香役を担当している夕莉ちゃんの声の当て方も解釈一致ですごくいいです(笑)。仁菜と桃香の組み合わせを見ると「おお!」と、ちょっとオタクっぽくなっちゃうくらい、いちファンとしても作品のことを愛しています。


<活動の広がり>

・最初のライブと比べると、緊張しなくなりましたか。


−はい。最近はそこまで緊張しなくなってきました。ライブが始まる直前まで楽屋でメンバーと喋ったりご飯食べたり。初めてのライブの時とかは、もう朝起きた時から心臓バクバクで(笑)。振り返ってみると少しは慣れてきたのかなって思います。


・理名さんご自身やトゲナシトゲアリとして、どこまで活動の幅を広げたいですか?


−そうですね...もっともっと、たとえば普段アニメを見ない方々にも、バンド活動の方で「トゲトゲの音楽は良いよね」と思って好きになってくれる人が増えたら嬉しいです。もちろん、アニメも劇場版総集編などもあって、これからもずっと続いていってほしいですし、皆さんに何年先も、何十年先も愛されるような「ガールズバンドクライ」や「トゲナシトゲアリ」になっていけたら...と思います。それと同時に、アニメの枠を超えてリアルなトゲトゲとしての活動も増えていくように頑張りたいです。とにかく私はもう、頑張る、がんばります!


・一ファンとしてとても心強いお言葉を頂きました。活動の広がりという観点で、『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の MyGO!!!!!の方々との対バンライブが実施されたり、この後も他のアーティストと対バンが予定されています。何か感想や意気込みはありますか?


−MyGO!!!!!さんとの対バンは、アニメとリンクしているガールズバンドという共通点があって、参考にさせていただきたい部分もたくさんありました。生でライブを観て、凄かったです。今度はシーレジェ(注:「She is Legend」)さんとの対バンがありますが、圧倒されてしまわないようにしっかりと準備をして臨みたいと思います。


・対バンライブもあったり、活動の裾野が広がる中、理名さんご自身「ここまでやれる!」というような自信を持ってらしたら教えてください。


−え〜、どこまでやれるんでしょうね私は(笑)。未熟者なので、まだ限界を知らないというか...。具体的な答えは出せないんですけど、応援してくださる方が一人でもいる限りは走り続けたいなと思っています。


<密かな願い>

・歌い手の方に憧れて活動を始めたというお話がありましたが、どういった方に注目されていますか?


−歌い手のめいちゃん(@meynico)さんに影響を受けました。あとは、同い年のNaYuu-U(@nayuu_u)さんは、「自分と同じ年で、こんなに歌が上手くて頑張ってる人がいるんだ!」と思って、歌い手活動を始めるきっかけというか、一歩踏み出す力をもらった方です。ですから、いつかお会いできたらなって、 密かに願っています。


<家族への想い>

・先ほど、現在はお母様とお二人で暮らしているとお聞きしましたが、ご家族への想い等お伺いできますか。


−母は一緒に生活しているので関東でのライブには予定が合えば来てくれて、終わった後には「あそこがよかったね」とか「また上手くなったんじゃない?」って褒めてくれたり。一番近くで一番よく見てくれている存在でもあるので、自己肯定感にも繋がりますし、次のライブへの原動力にもなります。配信があるライブの時は、広島にいる父や祖父母も観てくれて、感想を送ってくれます。活動を始める時、上京するための準備や費用の面も色々大変だったと思うんですけど、肯定的に応援してくれていて、すごくありがたいことだと思っています。


<ライブと評価>

・ライブのお話について、理名さんがギターを弾く事も増えてきていると思います。僕自身トゲトゲの夕莉(Gt.)さんと島村楽器さんのコラボ動画を拝見して「すご〜...」となったんですが、理名さんはメンバーの方から技術面で学ばれたこと等、ありますか。


−ギターを練習するときは、スタジオで鏡越しに夕莉ちゃんの手元とかを見るようにしています。どうやって体でリズムを取っているかも参考にしています。ライブでの楽器を持った動き方は、ギターの夕莉ちゃんとベースの朱李ちゃんに教えてもらったりします。


・ライブパフォーマンス面で、演奏されていて楽しい曲はありますか? 


−ライブでは『爆ぜて咲く』が演奏していて楽しいです。サビの部分の


「爆ぜて咲いた」(『爆ぜて咲く』作詞作曲:Misty mint、2023 年)


のところをお客さんと一緒に歌うのが恒例になってきていて、会場全体の一体感を味わえて、『爆ぜて咲く』が一番楽しいです。あと、単純に好きな曲だと『空白とカタルシス』です。やっぱりアニメの中でも仁菜が初めて作詞した楽曲ということで、親バカじゃないですけど(笑)。あとギターソロもカッコよくて、総合的に好きです。


<新曲『ダレモ』>

・新曲の『ダレモ』が配信されました。久しぶりの新曲ですが、何か想いや、込めた感情等はありますか?


−今回の新曲は、トゲトゲの世界観の中でも特に仁菜の想いが込められているなって。歌詞が明らかに井芹仁菜というか(笑)。


・そうですね、歌詞を拝見する限りは(笑)。


−そうなんです。トゲトゲの曲って強い意志というか、型にハマらずに「自分の思いを貫いて生きてやるんだ!」という覚悟や決意が表れている曲が多いと思います。なので、普段からそういった力強さは意識していますね。やっぱり歌声に説得力がないと歌詞と合わなくなってしまうので。歌声が歌詞とうまく結びついて、聴いてくれる方に届くと良いなと思っています。


・ありがとうございます。最後に何かあれば、お願いできますか。


−やっぱりおんなじ高校生という立場なので...学校に通って、受験勉強とかもあったり、今できることの幅に制限を感じている方もいらっしゃると思います。やりたいことが音楽じゃなくても、周囲に流されずに、自分がやりたいことに挑戦していって欲しいなと思います。誰目線って感じですが(笑)。


・いえいえ、ありがとうございます。長い間お時間いただきありがとうございました。これでインタビューの方は終わりにさせて頂ければと思います。


−ありがとうございました!


 


感想アンケートはこちら


 

もし麻布に入学していなかったとしても、人生は続いていた。

無数の「もしも」に向き合うことこそ、未来へとつながる第一歩なのではないだろうか。

麻布生には麻布という枠の中の「自由」に囚われすぎず、世の中に転がる数多のチャンスをものにしてもらいたい。

 

【次回予告】

麻布OBの外務省職員へインタビュー。国際社会での"麻布"とは。

※企画内容は予告なく変更される可能性があります。

 

理名(@rina_togetoge)

17歳、広島県出身。2024年4月から6月放送のTVアニメ『ガールズバンドクライ』で主人公役を務め、作品と連動するリアルバンド「トゲナシトゲアリ」のボーカルを務める。

 

<各種参考>

・テレビアニメ『ガールズバンドクライ』公式サイト


・「トゲナシトゲアリ」公式サイトhttps://ageha.agehasprings.com/archives/artist/togenashitogeari


・アニメ【ガールズバンドクライ】Gt. 夕莉 本人による弾き方&音作り解説「名もなき何もかも」/トゲナシトゲアリ


・『爆ぜて咲く』(トゲナシトゲアリ)


・『空白とカタルシス』(トゲナシトゲアリ)


・『無知のち私』(トゲナシトゲアリ)


・テレビアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』公式サイト


・「She is Legend」公式サイト


・DECO*27、傘村トータ、めいちゃん、NaYuu-U  Xアカウント

@DECO27

@machiomiii

@meynico

@nayuu_u

        

・『大切な人たちへ』(傘村トータ)


 


聞き手:K.S(編集部) 校 正:S.M(編集部)

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Special thanks K.Nomoto

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